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オファーは「申し入れ」とか「提示」の意味であり、雇用するにあたっての細々とした条件が記載されている。 その中でもっとも重要な項目はいうまでもなく、給与とボーナスである。
面接が終わって何日か経って、「あなたは面接試験に合格しました」と内定の電話があっても、イギリス人はまだ安心しない。 彼らは必ず言う。
「オファーレターを出してください」年俸がいくらで、その見直しがいつ行なわれるか、成績次第でボーナスを出すか出さないか、何年契約であるかなどのほかに肩書き、上司の名前、与えられる仕事の内容が詳しく書かれ、責任者が署名をした文書であるオファーレターを貰わないうちは、内定もどう転ぶか分からない。 たとえば営業部門のマネジャーが採用OKを出したとしても、そのまた上で人事の権限をもつ人が「ノー」と言う可能性はある。
あくまでオファーレターを見てからの話になる。 オファーレターが送られて来れば、細部まで十分に目を通す。
問題がなければ、署名をして一部を企業に返送し、一部は後日のために手もとに保管する。 それで正式に契約は成立するのだ。
だから、オファーレターは契約書でもある。 シティは、転職が当たり前の社会である。
ある企業を辞めて別の企業に転職する者は、それだけリスクをおかして移るのだから、収入が増加しなければ意味がない。 また、営業マンの場合、転職して必ず成功するとは限らない。

だから、最初に年俸を高めに設定しようとする。 もし、営業成績があがらなければ、ボーナスは期待出来ない。
その時、最初に決めた高めの給与がものをいうことになる。 だから、オファーレターが来てその企業に入社する意思があったとしても、レターにある条件をそのまま呑むことはまれである。
とくに年俸については、あらゆる手段を講じて増やそうと粘る。 たとえば、現在の勤務先における昨年の収入は給与部分が八万ポンド(千五百二十万円)、ボーナスが五万ポンド(九百五十万円)だったとすると、転職先での給与を、「昨年の収入と同額の十三万ポンド(一一千四百七十万円)にして欲しい」と交渉する。
基本給は年金の計算基礎にもなるので、少しでも高い方が望ましい。 しかし、雇用する方は言うだろう。
「それはボーナス込みの年収でしょう?我が社は我が社でボーナスは出しますから、基本給与は十万ポンド(千九百万円)でどうですか」「ならばせめて十二万ポンド(二千二百八十万円)にしてください。それとは別に、一年目の最低ボーナスとして三万ポンド(五百七十万円)を保証してください。それから、現在の会社からはリースで車を支給して貰っています。貴社はその制度がないようですから、代わりに毎月五百ポンド(九万五千円)の手当をお願いします」ざっとこのような調子だ。

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